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*<font color="#FF0000">まだ</font> いしのなかにいる*

冷血な時代

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「冷血」読了しました。ここのところの高村作品の後味の悪さは予想はしていたのですが、ここまでとはどうだ。と、まずはひとりごちる。現代の時代に(合わせて)冷血を取り上げるとこうなるのだな、、、というか、あまりにも現代にマッチしすぎだと思い、かえって「ぞっ」ともした

 

あまりにも人が(簡単に・大量に・理由もなく)死にすぎる時代

 

今の時代には誰しもが死と隣り合わせである。高齢化という長寿の時代に、同時にあまりにも多くの「死」が身近にあることの不条理さとはなんだ。災害や事故、事件、あらゆる場面生の突然さ=不意打ちはなんだ。そしてそれを目の当たりにした我々目はいつまで平気=正常でいられる

 

事件に巻き込まれ、事件が起きて、それを見極める、被害者~加害者~捜査者へと視点が移行していく中、いつしか「合田雄一郎」の目を通して事件を見ようとする自分がいた。すでにそこに被害者の無念(?)は存在しなかった。被害に遭った子供達もどこかへきえていいってしまい

 

合田刑事の現場の視点。いつしか彼も年を重ね、若かりし頃の熱血(?)はもはやなく。ただ見極めるだけの存在になった合田雄一郎の視点で話を読み進む自分になっている。いつしか読み手であった自分の視点がピタリと重なっていたのだった。そんな中

 

あまりにも人が死にすぎる

 

そう自問する合田の声が自分にも確かに聞こえた。もはや合田は現場を駆け回る立場にはない。全体像を俯瞰する立場で、出来事を見極め、記録する存在になっている。人という不条理を見つめ冷静に記憶するだけの存在になっている

 

かつて自の身体の中でたぎらせたモノは微塵も感じられない。それが読み手である自分もそうなっている。たとえばここ10年余にあった様々な事件や事故、災害も、自らのやりきれない思いをともに爆発させた合田雄一郎はもはや存在しない。同時に読み手の自分もまた、、、そういう立場で合田に(読者に)

 

事件をただただ記録させるという作者の冷血さはどうだ!

 

と思ったw。しかし、まぁ予感はしていたのだけれども、、、でも僕は、雄一郎だけではなくて義兄が主人公となって、同じく苦しむ?作品も読みたいのですよ。高村さん!「照柿」関連で、、、大阪を舞台に!お願いします^人^;

 

冷血(上)

冷血(上)

冷血(下)

冷血(下)

照柿

照柿