久しぶりの新宿鮫、8年ぶりだという。前作で大きく鮫島の境遇が変わり、前作の読了後、さてこれけからどうなるんだ。と、こともあろうに鮫島の心配をした。そんなに心配はいらなかった。彼は変わらず一匹の鮫として新宿を泳いでいた。読了してまず感じたこと
作風?が大きく変わった気がする。
フィリップ・マーロウの雰囲気に近づいた。ロスの空気を至る所に感じ、なぜか鮫島の姿がマーロウとダブる。そいえば登場人物もギャングの大ボスとの微妙な「依頼」関係があって、減らず口をたたきながら自分の捜査をつづける、、、
いいよ、この雰囲気好きだわ。国際犯罪的な雰囲気にちょっと異物感を憶えるが、現代の東京、新宿、池袋、、、どんな町なのだろうと思い浮かべつつ。地方都市でえんえん暮らすロートルには都会は刺激が強すぎる。そんな町に鮫島は一人で暮らしている。一刑事として。
マーロゥだと探偵で、警官にも小突かれながら、ギャングとも衝突しながらも、自分のスタイル=捜査をつらぬく。それを日本でやろうと思えば、確かに探偵という設定は日本じゃちょっと苦しい。そこで刑事であり一匹狼である設定を準備した。それはナイスなアイデア。
それでも、これまでの作品では、その設定を振り切ろうとしすぎて?乱暴に振る舞いすぎて気がした。それが今回すごくダンディに、ジェントルになった気がする。僕の気のせいか?登場人物はあいかわらず危険人物ばかりだが、、、藪が一番危ない男だろw!
さて、これからも鮫の活躍はまだまだ続きそうだ。新しい設定にも・・・前作では恋人と別れ、信頼する上司も失った・・・それを見事に乗り切った設定に、妙にしっくりしてしまう。お見事!さて、、、
俺はいつでも会いに行ける そうしたいと思ったら
と占めるなんて!くそ、やられたよ。
あれ?これ誰のセリフだっけか?
マーロゥだと思ったけど・・・違ったらゴメンなさい。