カシオペアを正面に見据え、夜の中走った。
夜走るには冷え込みが厳しくなってきた。とはいえ気温はまだ5℃もある。冬がおわった雪解けが始まった頃の5℃はずいぶんと暖かく感じたものだが、今晩は冷え込みに閉口した。吸う息が肺に刺さり、冷気が痛い、まさに閉口したくなった。
そう言いながら夏場の暑さも忘れている。走り出しこそ空気の冷たさに、顔に刺さる冷気、指先を侵食する冷気、冷たさに涙が出てくる寸前だった。半分くらい走った頃だろうか、やっと体幹は汗ばみはじめ、頭からも汗が垂れて来る。こうなって夏のあの暑さが無いことに感謝だ。
夏の夜は日中ほどの暑さは無くてもアスファルトが十分に熱を蓄えており、足元からジワジワと熱気と湿気が沸き立ってくる。そんななかに走り出せば50mも走らぬ前に汗だくになっている。頭からの汗が目に、口に、耳にもまとわりつき、これもまた閉口させられる。夏のそれはまた冬以上に苦しい、、、苦しかったはずだ。
少なくとも今は、ロングTシャツにウインドブレーカでちょうどいい具合。べっしょりと汗に濡れることなく、軽く汗ばむ程度で済むのだから。ただ5kmを過ぎるくらいには身体も楽になってきて、寒さがしんしんとまたぶり返し始める。腰痛もあるので無理をせずに5km走で終了。
オリオンを背負って、家の中に戻る。