さてと。気付けば"お雛様”も過ぎていた。2月読了した本を紹介し忘れている。2月に読んだ本は
チェルノブイリの祈り--未来の物語
この2冊だ。"精霊の守り人”はこの3月19日(土)にNHKで大河ファンタジーとしてドラマ化される。それで慌てて読んだのだ。上橋菜穂子さんの作品は、大人のファンタージとして、、、子どものファンタジーも大好きだけど^^;、、、ほんとは大好きなのである
なのに、ナゼ、"精霊の守り人”をこれまで読んでこなかったのか、簡単である。安易に手を出して、読み始めると、あっという間に作品の、、、どこと知れぬ別世界にとりこまれてしまい、、、それこそ戻ってこれなくなるのだ。そして、上橋作品の唯一のと言ってよい悪いトコロが、続きがあるということだ
連作が多く、あれよあれよと次の作品へ手をのばしてしまい、二度と現世に戻って来られなくなるのではないかと、なので一作目を読む前に身構えてしまうのだ。正直、読んでるときは、現実社会の仕事なんて手につかなくなってしまう
ちょっとの時間を惜しんで、本のなかに取り込まれていく。いや、そのちょっとした時間を、仕事を二の次にして、それこそ寝る間も、食事時間さえ惜しみ、本のなかへと入る時間を作ろうしてしまう
呪われているといってもよい。これこそ正しいファンタジーなのだ。まさに大人のファンタジーといっても良いと思う。子どもに読ませるのがもったいないとさえ思うのだが、文章は決して難しくも回りくどくもないので、子どもだって簡単に読めるだろう。考えてごらん、子ども達と同じ世界に簡単に入り込めてしまうのだ。だから恐ろしい
ドラマも楽しみにしている。が、やはり原作を先に読んで、自分で世界を描いておかないときっと後悔するだろう。なのであわてて読んでいるのだ。そして、今、”闇の守り人”を読んでいる。しばらくかえれそうもない旅に出た気分、、、仕事どうしよう^^;
といいつつ、実はもう一冊合わせて読んだ。"チェルノブイリの祈り--未来の物語"である。村上春樹を(?)押しのけ2015年のノーベル文学賞を受賞した作品。実はこの作品も以前から知っており、手にしていなかったのだった。そして今日まで、実は正直忘れていた。あ、と気付いたときに書店には在庫がなくなていた。結構前に出版されていたはずだ。それがなにかの拍子にぽっとアタマに沸いて出た。
ほんと、なにがキッカケかわからないのだ。しかし『読まねば』と思っていたはずで、それを思い出したのだから、それこそ読むべき時なのだ。amazonで取り寄せた。チェルノブイリを取材したドキュメント作品である。かの事故が起きたのは1986年である。当時なにがあったか、人々はどう行動したか、丹念な取材で綴られている。
それが今、”未来への物語”という副題を装い亡霊のように表れてきた.悪夢の数々は、それこそ"ファンタジー"であればと思うが、ここで語る人々の誰一人にとっても、それはファンタジーではない。リアルな物語である。一人ひとりの語りが未来に見ている物を、今、僕が想像する・・・僕にとっては過去を思い返す行為・・・それが、とても恐ろしい。
過去のことがリアルに目前に立ち上って表れたとき。人はどうすべきか、ちょっと、これはこれで答えが容易に出ない、迷宮状態だ。忘れてはいけないことを、忘れてるぞ!と突きつけられること。とても怖い
- 作者: スベトラーナ・アレクシエービッチ,松本妙子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/06/17
- メディア: 文庫
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