今年は日本人海外移住150周年だそうだ。その節目の年に「マンザナ、わが町」が再演された。前回の上演は2015年のことで、かなりの好評だったが自分は観れなかった。今回は地元で舞台がかかり、期待に胸ふくらませての観劇となった。ズバリ!凄いよかったよ!!
話しは戦時中のアメリカのマンザナ強制収容所でたくましく生きる、5人の日系人女性の物語りだ。休憩をはさみ3時間という上演時間だが、さすが井上ひさし戯曲。あっという間の3時間。気付けば自分いったいどんな「日本人」なのか深く考えさせられていた。
5人が入れられることになる強制収容所の一部屋が舞台となる。収容所内のプロパガンダ演劇の上演ののために集められた曰く付きの5人の物語り。日系人が閉じ込められる収容所=新たな町『マンザナ』を称える演劇をしなければならない5人だが、なにやらみな曰く付きの5人で、、、という展開。
最初から浪曲師のオトメを演じる熊谷真実の凄い!ハイテンションな演技から始まり、5人それぞれの物語がはじまる。その1つ一つが1本分の舞台に匹敵する濃度をもっているから、油断鳴らない。とにかく台詞が多い、かつ長い、なのにテンポ良くポンポン語られるかのだら、あっという間に観ている方はうちのめされる。
前回のキャストとほぼ同じで再演ということだったが、少々ぎこちない雰囲気も醸しつつ、まだ十分にこなれていない感じを受けるも、演技のスピード感はハンパない!あっという間に巻き込まれる。
座席に座って観ていることも忘れてしまい。こちらの内側に5人分の思い=内幕が忍び込んでくる。あっというまに内面で醸造されて、彼女らを取り巻く世界を自分も歩いてきたかのような『錯覚』になる。自分はどんな日本人なのか、、、どんな日本人に育ってしまったのか、そして明日からどういう日本人でいられるのか。
過去の物語であり
現在の話しであり
未来の予言となる
ヤバイ!これはヤバイ!!そんな世界にいるんじゃないか!?と戦慄さえ覚え帰路につかされたのが昨晩のこと。そして、今も、未だ熱が冷めやらずあるのだ。