You are in rock. still…

*まだいしのなかにいる*

HON(4)

映画監督と漫画家の本を読んだ。一つは完全に小説で、もう一つは回顧録という感じだ。4月に読んだ本は次の2冊。

 

・ 一瞬の雲の切れ間に

・少年の名はジルベール


 一瞬の雲の切れ間に

後ろを振り返るにはもう遅い、そんな年齢の僕だが。そんな僕が、周囲にいる一人一人の人生についても、も少し考えてもいいのかもと思った。皆、自分の人生の引き返し点を通過してるであろう年齢だが、回りにいる人たちの背景を"努めて"知ろうとはしてこなかったんだよね。僕は、むしろできる限り関わらない方を選んできた。

だけども、なんにもかかずらわなくても、自分には全く無関係なことでも、それなりに見聞する努力はしなきゃいけない。と僕に向かって促しているような気がした。たとえ自分の人生だけで精一杯だとしても、、、この上誰の人生を抱えろというのか、、、抱えなくてもいいんだ。ただ人の人生の交わる点、そのポイントをしっかりと見極めなければいけないと、そういうふうに、、、今からでも遅くはないのかも知れない。そう思えた本。

ひとつの事件を軸にして、それにかかわる人々をそれぞれ主人公にした連作。事件を交差点にしてそれぞれの立場の視点で話がすすむ。どの話にも人生は詰まっているから、、、複数の視点の話の展開に目眩を覚えるほどだった。でも最後の一節はやっぱり要らなかったかなぁ、エピローグなんだろうけど。余計だったと思う。


少年の名はジルベール

高校時代。なぜか少女漫画という分野に惹かれ、それまで読んでいた「マガジン」や「ジャンプ」から、「別マ」「花ゆめ」をむさぼり読んだ。それが自分だけでなく周囲の誰もが少女漫画に感心を持ち始めたからビックリだw。クラスは、、、クラスじゃない『組』は、、、ちょっとした少女漫画ブームとなる。

今思うにちょっと不気味だ。なにしろウチの学校は併学で、男子と女子は組が全く別。そう、うちの組は男子ばっかだ。男子ばかの『組』での少女漫画施ブームなのだ。そんな不気味な僕らにとって新しく開けた世界がそこにあり、そこに求めるのはTHE少女漫画だったから。僕らの中では竹宮作品はあまり人気はなかった。もっと少女少女したほうが人気だった。
その理由がわかった。竹宮作品には、少女漫画として見るにはちょっと別の雰囲気があると感じていたからだった。なるほど石ノ森章太郎先生に憧れてらっしゃったのだな。『少女漫画』という殻を突き破っていまいたかった。そして自分の書きたい物をめざし、もがいてるときの作品だったわけだ。そのもどかしさが伝わってきたのかもしれない。

僕らもまた、何かにもがきつつ『少年漫画』という規制=固定概念から、『少女漫画』へと、別世界へ入ろうとしたころだったから、、、なんて思うと大袈裟だが。知らない世界をどんどん覗きたい年頃だったんですよ。

そこに少女漫画という禁断?の世界が手に入ったということ、その、まっただ中の当人である竹宮先生、そして萩尾先生の半生の一端を、、、半生というと語弊がある、、、、あの頃ワクワク、ドキドキしながら手に取った作品を書き上げる側の人になにが起こっていたのか、今こうして知る事ができるなんてなぁ。

あの頃は漫画を書き上げる人たちは、ずーっと人生の大先輩の人と持っていたフシがある。でも同じような立場の人たちだったんだ。いや、はや、これは男だったからの問題か?な?でも懐かしいw!

 

一瞬の雲の切れ間に

一瞬の雲の切れ間に

 

 

少年の名はジルベール

少年の名はジルベール