You are in rock. still…

*まだいしのなかにいる*

To be or not to be

決してこれまでの人生が短いわけでもないが、世間に自慢できるほど長くもない。いつになく早く仕事をきりあげ帰宅した日。早々に晩ご飯と風呂をすませTVをつけるこもなく、Mは寝床にはいってそう考えた。今のこの自分は本当になりたい自分だったのだろうか、いつしか流されるままにしていたら、すっぽりと口を開けていた淀みに、それこそすっぽりはまってしまって抜け出せなくなった

 

そう、決して人に自慢できる程に長くはない人生であったが、、、いやまだ茫々とした将来もあるのだが、、、幾度か選択を迫られる時に、選んだか選ばなかったした結果にすぎない。そうしてココにいるのが今の自分であるから、抜け出せなくなった自分を受け入れなきゃいけないなぁ。その淀みに新鮮な水を導き入れることが難しければ、なんとか流れにもどるべくもがいてみるのも一つの手段だ

 

そう思うと、せっかく早く帰宅して布団にはいったというのに、頭は延々と堂々巡りをするのに、Mの目は冴えていくばかりで、一向に眠れないのであった。人生をその川の長さにたとえるなら、まだ河口にはたどり着きそうもない。しかしその流れはずいぶんとゆっくりとしてきていることにも気づいて、、、滔々とたゆるのももうすぐだ

 

川の一生、その終わりに近づくにつれ、流れ穏やかになりゆるりと動くのなら。人生の流れもそうありたいものだ・・・と、気づくか気づかない頃。Mは夢のなかにたゆい始めていて、その思いつきが夢のなかのことなのか区別も付かずあって。翌朝にはすっかりわすれさっているのだった